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【技術開発レポート】蒸着メッキの限界をついに超えた!?~Episode2~

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前回のブログはとても好評でした。当社のメルマガでもご案内させて頂いたところ、おかげさまで何件かの問い合わせも頂戴しました。

 

前回のブログ「蒸着メッキの限界をついに超えた!?」
https://www.okumakot.com/blog/staffblog/103

 

前回のお話は蒸着塗装のザ・エンジニアについて“さわり”をご紹介しました。でもでも、まだまだ奥が深いんですよ。開発の話って…

 

今回のブログでは、前回の最後にお伝えしました「カビキラー24時間浸漬試験、白濁・薄利・浸食無きこと」 こちらの過酷な規格についてご紹介致します。

 

ちょっと考えてみてください。

 

もし先方様から頂いた図面の中に、表面処理規格「カビキラー24時間浸漬試験、白濁・薄利・浸食無きこと」と記載があったら、どうされますか?

 

「どうされるって、いけるんじゃない」と、思われた方も当然いらっしゃいます。しかし、この規格を持ってこられた塗装屋は「絶対に無理」と言うでしょう。

 

本音を言うと「カビキラー24時間浸漬試験」 こんな過酷な試験はやっちゃいけませんよ(笑)でも、蒸着塗装のザ・エンジニアはこの規格も見事にクリアさせたのです。

 

いったいどのように…

 

他社が断った耐薬品性試験

 

そもそもこの規格の商品は、他社が断り続けた挙句エンジニアの下に辿り着いた経緯がありました。その商品とはシャワーヘッドです。(ここまでの公開はOKをもらっています(^-^;)

 

シャワーヘッドの用途からみても、使用する環境は相当過酷だと想像ができます。例えば、石鹸・シャンプー・水・お湯・湿気などなど、通常なら浴室使用の物に塗装するなんて、まぁあり得ません。なぜなら、これほどの条件を満たす塗料がないからです。

 

それと、本来蒸着は水に弱いことが一般的な認識です。なので、通常なら水回りの部品には蒸着ではなくメッキを使います。その一般的な認識をくつがえす規格にも正直、驚きです。

 

しかも、超過酷な条件はこれだけではありませんでした。それは…

 

漂白剤キッチンハイター24時間浸漬後、白濁・薄利・浸食無きこと。更に碁盤目試験クリア

 

当たり前のように言っていますが、普通なら絶対あり得ない規格です。

 

漂白剤キッチンハイターって、すっごい強烈な薬品なんですよ。加えて24時間も浸漬させたら素材事、変形するくらいドギツイ薬品です。

 

どの会社も断る理由がよくわかります。

 

商品規格をクリアする為に塗料から開発する

 

商品:シャワーヘッドスペック

 

カビキラーの原液24時間浸漬後、剥奪・薄利・飯食・碁盤目試験
漂白剤キッチンハイター24時間浸漬後、剥奪・薄利・飯食・碁盤目試験

 

普通なら塗料メーカーさんも、眉間にシワを寄せながら「う~ん」と唸るような商品規格です。なぜなら「やったことがないから、やってもいいけど、どの塗料が合うかを確かめるなどの試験を何度も繰り返し…」と、しどろもどろの返答になるでしょう。

 

お手上げの商品規格です。しかしザ・エンジニアはこの試験を見事にクリアさせました。

 

いったいどうやって…

 

実はその答えは至ってシンプルです。それは塗料メーカーさんと一緒になって、この規格をパスする為の塗料を開発したのでした。

 

「塗料メーカーと一緒に開発できるなら簡単じゃん」…って、そんなこと思わないでくださいね。ココが非常に重要なポイントなのです。

 

通常なら塗料メーカーさんは、塗料からの開発案件はそうも簡単に受けてはくれません。大手の自動車メーカーや家電メーカー様からの案件なら話は別です。ですが、我々のような中小企業レベルの案件ならあまりにもリスクがあるのです。

 

では、どうして塗料メーカーさんは塗料からの開発を承諾したのだろうか。

 

それは、エンジニアと塗料メーカーさんとの繋がりにありました。新しいモノを作り続けたエンジニアだからこそ、塗料メーカーさんも前向きに検討したのです。

 

この関係性はノウハウですよね。

 

どこも簡単にマネできません。もちろん、塗料メーカーさんと秘密保持契約を結び、今現在もこの商品は市場に流れております。

試行錯誤の末、耐薬品性試験に見事合格したのでした。

 

規格を合格した塗料は2液のアクリルウレタン!?

 

塗装の専門家として私が個人的に驚いたのは、開発された塗料は2液のアクリルウレタンだったのです。理由はABS素材に蒸着塗装の仕様でして、私が勝手にUV(紫外線)で硬化させているものだと思い込んでしまいました。

 

でもやっぱり2液のアクリルウレタンでこの規格を乗り越えるのはすごいと思います。詳しくは聞けませんでしたが、相当な苦労があったと思います。

 

そしてココからまたオモシロイ話が続きます。

 

それは、蒸着に使った金属が「クロム」で、その「クロム」の質感に先方様が深く感動されたのでした。「この色目、この質感、これしかない…」って。

 

と、言うことで今回の話もだいぶん長くなったので、、
この続きはEpisode3でご紹介したいと思います^^

 

次回「蒸着メッキの限界をついに超えた」~Episode3は「金属が放つ独特の質感」がテーマです。

 

お楽しみに☆