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「黄色」の塗装不良を劇的に改善する、3つの問題解決方法をご紹介!

こんにちは!オークマ工塗の寺倉です^^

 

いつもオークマ工塗のブログを読んでいただいてありがとうございます。(ってぜんぜん更新してないやないかーい!!)

 

寒さのピーク過ぎても春までにはほど遠いですね。風は突き刺すような寒さと言いましょうか。。私は営業で外回りをしているので、風邪を引かないようにマスクは必須です。

 

色ムラ・色ブレの塗装不良が発生しやすい黄色の問題

 

このブログをお読みの方は、何かしら塗装に携わったことがある方だと思って質問します。

 

塗装色が黄色でお困りになったことはありませんか?

 

例えば、「色ムラ」・「色ブレ」です。特にですが「赤」・「青」・「黄」といった明度と高い単色は「色ムラ」・「色ブレ」が発生しやすい色と、我々塗装業界では位置付けられている色目です。その中でも「黄色」は最も塗装が難しい色だと言われています。

 

何故だかご存知ですか??

 

今回のブログでは「色ムラ」・「色ブレ」が発生しやすい「黄色」について紹介します。黄色だからと安易に考えているとたんへんなことになります。塗装不良を改善する場合は、まずはそのやり方(知識)を知ってから実践することが大切です。

 

塗装不良の改善と助けを求めてきたAさんの話

 

以前、センサーメーカーに勤めるAさん(仮)から「ホームページを見ました」と、問い合わせを受けました。Aさんの話しによると、、

 

「塗装屋から納品される製品は、いつもいつも色がバラついていて、とてもじゃありませんが製品として取り扱えません。御社の方でなんとかならないでしょうか?」と、電話から伺えるAさんの声で、その必死さが伝わりました。

 

そして翌日Aさんがご来社。早速、塗装完成品を見させてもらうと、その商品は手の平サイズの小さなセンサーで、商品の上面に「黄色」が塗装されておりました。

 

10個ほど商品を並べて色の状態を見てみると…それはそれはなんとも残念な状況です。すべての色がバラバラ…これでは製品扱いができないのも納得です。

 

私がこの状態を見て息をのんでいると、Aさんも大きなため息をつきました。

 

「そうなんです。色がバラバラなんです。この状態で毎回納品が来るもんだから、うちの会社で全数検査しているんですよ。しかも時間がない。もちろん残業代はでません。だから、社員のみんなはストレスが溜まる一方で、最悪の状態なんです」

 

(悲痛のAさんの表情に同情しました…)

 

私はAさんに聞いてみました「塗装屋さんはなんとかしてくれないのですか??」

 

すると「塗装屋は一回塗りで色を合わせているからこんなものだ」と一点張りで、まったく改善をしてくれないとのことでした。

 

私は続けて言いました、

 

寺倉:「一回塗りでこの色は難しいですね

 

Aさん:「えっ?一回でこの黄色はでないのですか?

 

寺倉:「絶対にと言う訳ではありませんが、この黄色は色目が強すぎます。そもそも一回で色を落ち着かせようとしていることが問題の原因です

 

Aさんは「知らなかった」と、もう一度大きなため息をつきました。

 

黄色の「色ムラ」・「色ブレ」を解決する3つ方法!!

 

問題解決その1、下塗りに「白」の色を塗装する。

 

Aさんの話でもあったように、黄色はそもそも1回で色を合わそうすると失敗します。もっと言うと、どんなに薄い黄色でも、下塗りを引いてから上塗りをする工程がセオリーであり、品質も安定するのです。

 

業界的に言うとプライマーです。プライマーで白色を先に塗装しておくと、上塗りの黄色は綺麗に塗装することができます。「なぜそうなんだ」の理由を知る前に、プリンターの理屈で覚えてください。

 

印刷の紙は白ですよね。黒の上に黄色を引くと黒黄色になります。また赤色の上の黄色を引くとオレンジなります。つまり、黄色のような明度が高い色目は、真っ白の状態で色をつけることが前提なのです。

 

問題解決その2、薄く塗り重ねるように塗装する

 

これは技術的な視点ですが「色が止まりにくい」からと、塗料の粘度を濃いくしたり、塗装を厚塗りしてはいけません。黄色は膜厚によって濃淡が激しく変わります。なので、塗装する際は、薄く塗り重ねるように品質を安定する必要があるのです。これは塗装する方の腕によってもかなり左右されるので注意が必要です。

 

問題解決その3、膜厚管理をしっかり決めておく

 

「問題解決その2」でもお伝えしたように、黄色は少々の膜厚の違いで「色ムラ」・「色ブレ」が発生します。そのような難しい色目の商品は、必ず膜厚を決めておく必要があります。

 

例えば、膜厚20μが綺麗な色目であれば「20μ±5μ」までを合格にするなどです。つまり、お客様と塗装屋さんの間で品質管理を徹底することが大切なのです。

 

当社では極端な膜厚管理を要求される場合は「ロボット塗装」をお勧めしております。ロボット塗装は、1日を通してほぼ正確な膜厚を安定する技術を持っています。「疲れ知らず」が、強みのロボット君なんです。

 

お悩み解消!!塗装に自信を取り戻したAさん。

 

先ほどのAさんのセンサー部品の話は、当社で試行錯誤を繰り返した後に、作業仕様を決めて標準化にしました。自慢ではありませんが、当社の職人ならこの程度の色目はロボットに頼らずとも実現できます。標準化にしてしまえばこっちのモノです。品質は安定し毎回同じモノができあがります。

 

以前までのAさんの会社では、塗装屋さんから納品された完成品を社内で全数検査しておりましたが、今では色見本板と抜き取った製品を整合する目視検査で済むようになりました。また、社内では残業時間も減って同僚からは「ありがとう!」と、感謝の声まで頂戴することもあります。

 

何より良かったことは、以前まではAさんの会社自体が塗装不良の多発でお客様から信頼を落としていましたが、それが劇的な改善によって、その努力が認められ、今では塗装のことなら、まずAさんの会社に声がかかるように、なったとのことです。

 

黄色のみならず「赤」や「青」も同様です。

 

今回のブログでは黄色について問題解決事例を紹介させていただきました。しかし、赤や青といった明度が高い色目もまったく同じことが言えます。つまり、色目は安定せず「色ムラ」・「色ブレ」が発生しやすいと言うことなのです。

 

今回の事例でもあったように「色ムラ」・「色ブレ」が発生する場合は、問題解決1~3を試してください。それでも問題が解決しない場合は、ぜひ一度オークマ工塗までお問い合わせください。寺倉でした。
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