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粉体塗装と溶剤塗装の違いとは?~小ロット製品にはやっぱり溶剤塗装が強い理由~






粉体塗装と溶剤塗装の違いとは?
~小ロット製品にはやっぱり溶剤塗装が強い理由~

塗装は「見た目」「耐久性」「印象」を大きく左右する重要な工程です。本記事では、代表的な2つの塗装方法である粉体塗装溶剤塗装の違いを分かりやすく比較します。

POINT:小ロットや色替えが多いなら「溶剤塗装」がおすすめ!

粉体塗装とは?

粉状の塗料を静電気で吸着させて焼き付ける塗装方法。環境負荷が低く、大量生産に向いています。

粉体塗装のメリット

  • 環境にやさしい(VOC排出ほぼなし)
  • 塗膜が厚くて丈夫
  • 未着粉の再利用でエコ
  • 自動化に向いている(大量生産に最適)

粉体塗装のデメリット

  • 色替えに手間がかかる
  • 複雑な形状には不向き
  • 初期投資が高い

溶剤塗装とは?

シンナーなどで希釈した液体塗料をスプレーで塗装する方法。自由度が高く、小ロット対応に優れています。

溶剤塗装のメリット

  • 色替えや仕様変更に柔軟対応
  • 多彩な質感を表現可能
  • マスキングによる部分塗装に強い
  • 省スペース設備で導入しやすい

溶剤塗装のデメリット

  • VOC対策が必要
  • 技術力によって品質が変わる
  • 塗膜がやや薄め

粉体 vs 溶剤塗装|比較表

項目 粉体塗装 溶剤塗装
塗料形態 粉末 液体
乾燥方法 高温焼付け 常温乾燥 or 焼付け
色替え対応
小ロット対応
環境負荷

この違いによって、対応できる製品の種類や工程の手間、仕上がりの質感、環境への影響などにも大きな差が生まれます。

粉体塗装は、溶剤を使わずに粉を静電気で製品に付着させ、高温で焼き付けるため、耐久性に優れ、環境にもやさしいのが特長です。
ただし、色替えや小ロットには不向きで、大量生産向きの塗装方法と言えます。

一方、溶剤塗装はシンナーなどで希釈した液体塗料をスプレーで塗布し、常温または焼付けで仕上げます。
色や質感の表現が豊かで、マスキングや部分塗装も得意。そのため、試作や多品種対応、小ロット製品に最適です。

用途や製品に応じて、どちらの塗装方法が合っているかを選ぶことが、品質・効率・コストの最適化につながります。

結論:小ロット・柔軟性重視なら溶剤塗装!

質感や色にこだわりたい、1個から試作したい──そんなニーズには溶剤塗装が最適です。

  • 製品ごとに色が違う
  • ツヤ・マットなど質感を変えたい
  • 小ロットで段取りよく仕上げたい
「何を塗るか」「どう仕上げたいか」によって塗装方法は選びましょう。

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