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【4つの最適】その1、最適な塗料についてご紹介

こんにちはオークマ工塗の大熊です。

前回のブログでは、「塗料の最適」・「塗装方法の最適」・「塗装品質の最適」・「塗装コスト」と「4つの最適」について簡単にご説明しました。今回のブログは、その内の1つ「塗料の最適」について、詳しくご紹介致します。

 

塗料の最適について

 

塗料を選択する上で必要な条件は、素材・機能性・外観この3つです。

 

プラスチック・金属・その他(ガラス・陶器・ゴム)など、塗装する素材はさまざまあり、それぞれの特性にあった、塗料を選択する必要があります。例えば、ABS素材であれば乾燥温度は60度まで、アルミダイキャストであれば焼付塗料の方が密着がよい。今までは、密着が不可能と言われていた、シリコンゴムやデブコンなども塗装ができるようになってきております。

 

代表的なプラスチック素材

 

ABS素材

塗装素材としては一番多く使われます。コスト・強度・生産性のバランスもよく、塗装との相性も良く密着性や塗装の作業性がよろしいです。加水分解をするので室内環境のものに使われます。

 

PC素材

ABSより強度があり対候性も優れております。ただ、溶剤に弱く塗装する場合は、希釈シンナーは低浸食を使わないと素材自体を痛めることになります。

 

PA(ナイロン)

6ナイロン・66ナイロン・12ナイロンなど種類があります。耐熱・強度にも優れている素材です。6ナイロンは釣り具や機械部品などに使われていることが多いです。12ナイロンは給水しない性質で、ギアなどの機械内蔵部品に使われております。6ナイロンは塗装できないと思われがちですが、特性を知っていれば塗装はできます。12ナイロンは通常塗装はできません。最近ではワレンコートなど、特殊な塗装では可能となりました。

 

※ワレンコートはこちらで詳しく紹介

https://www.okumakot.com/warencoat/index.html

 

PP素材(ポリプロピレン)

耐水・耐溶剤性に優れているので、浴室や水回りによく使用されます。ただし、溶剤に強いがために塗料の密着性はとても悪いです。通常は塗装できませんが、ワレンコートなど新しい塗装方法で密着が可能となりました。

 

その他、プラスチック製品

やり方次第では塗装できる可能性はあります。あきらめずにチャレンジしましょう。

 

代表的な金属素材

 

鉄(Fe)

コスト・強度ともに最強と言ってもいいでしょう。塗装との相性がよく様々塗料に密着する素材です。ただし、錆やすいので用途によっては、しっかりした塗装工程(表面処理・下塗り・中塗り・上塗りなど)を組まなければ早期に錆が出てきます。

 

アルミ(Al)

錆びにくく軽くて粘りがある素材です。塗料の選定を間違えると密着しない場合があります。素材自体が柔らかいので作業は丁寧に行わないと傷等がつきます。

アルミダイキャスト(AD)

アルミをベースに合金にしています。成形性がよく自動車部品など様々ところで使われています。アルミより錆びやすいので表面処理が重要なファクターになってきます。また、鋳造の状況により密着しにくくなる場合があります。しかし、アルミダイキャストの種類(ADC12・ADC5・ADC1など)に対して塗装工程を見直すことで必ず相性良くなります。

 

亜鉛ダイキャスト

アルミダイキャストより鋳造性がよく安価で粘りがあることから、建築資材など多数で使われています。塗装との相性もいいのですが、金属の中では耐熱性が弱く高温(100度以上)にすると変形や膨れなどを起こす場合があります。

 

ステンレス

錆びにくく強度があるので外装によく使われます。塗装は密着しにくいですが、塗料選定さえ間違えなければしっかりと密着します。

 

塗料の機能性

その素材や部品をどれくらい持たせたいか?などの性能が必要です。外で使われる部材で10年は劣化しないようにしたいのであればウレタン塗料が最適。曲げたり引っ張ったりするので追随する塗料が必要、摩耗を和らげたいので滑り性が必要などになります。使用環境にあった塗料選択が品質保証のキーポイントです。

 

外観

その商品の目的によって最適な見た目を必要とします。例えば、手に持って見るスマホやカメラなどは細かなゆず肌・ゴミほこりなどを嫌います。一方建築部材などは遠くから見る場合が多いので細かな見た目より全体での色つやのバランスを重視します。必要でない外観品質を高めることによりコストUPに繋がり生産性も落ちるので注意が必要です。

 

次回は最適な塗装方法ついてご紹介します。


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