納品事例 [CASE STUDY]

PE(ポリエチレン)素材へ塗装が出来るか!?オークマ工塗で現在挑戦中!!

PEポリエチレン塗装密着

製作データ DATA

塗装方法
手吹塗装
素材
PE(ポリエチレン)
使用塗料
アクリルラッカー
業界
自社開発
公開日
2016年01月14日
納品No.
0185

製作者コメント COMMENT

今回の塗装事例は、PE(ポリエチレン)素材のサンプル作りに挑戦です。挑戦とは少しオーバーな表現ですが・・PE(ポリエチレン)は当社のような工業部品を取り扱う業界では、「絶対に塗装が出来ない素材」と、位置づけられております。
PE(ポリエチレン)はなぜ塗装できない??

 

正直に言うと科学的な理由はわかりません。例えば「塗料のあるAの成分とPE(ポリエチレン)のBとEの成分は相反する」のような理由です。
逆に「水」と「油」の関係です。と、説明がつけば簡単なのですが、そういう訳でもなさそうで・・

 

実際にPE(ポリエチレン)に塗装をすると、どのような現象になるのか??
塗装の膜が剥がれ落ちます。つまり「密着」しません。それも、クロスカットとかテープ剥離のような検査方法ではありません。爪を立てるだけでボロボロと剥がれ落ちます。PE(ポリエチレン)の表面には塗料を弾いているような形跡があるのです。
あっ、それをいうと「水」と「油」の関係ですね・・

 

PE(ポリエチレン)で作られた商品はどんなモノがあるのか?

 

PE(ポリエチレン)素材の商品。
・ お風呂で使用する洗面器や椅子。
・ ごみ箱。バケツ。容器など。
・ 料理パック。ケース(¥100ショップで売られているモノ)

これらはごく一部ですが主に硬質で作られたPE(ポリエチレン)の商品です。PE(ポリエチレン)は、素材そのものに耐久性があり、非情に過酷な環境(水・洗剤等)で使用される商品が多いです。
塗装の前処理で密着が可能になる??

 

塗装前の「処理」をわかりやすく解説すると「表面改質」です。つまり、素材の表面を改質することで、塗料と素材との密着性に効果が現れます。ネット上では、塗装前の処理について様々な情報が出回っていますね。「コロナ放電」・「フレーム処理」・「ショットブラスト」など、当社が存じない技術は他にもたくさんあるとは思いますが、塗装の場合、この3つが代表的です。

もちろん当社でもこれらの処理テストは、何回も何回も挑戦しました。しかしダメでした。何をしても密着はしない。とても困難な素材。それがPE(ポリエチレン)素材です。
「試作・模索・検索・探索」。4つの「さく」を乗り越えて。ただ今サンプル作成中!!

 

数年前から挑戦し続け来たPE(ポリエチレン)素材への塗装試作開発。2015年12月から、
少しずつですが成功への兆しが見えてきました。もちろん、ある“特殊な処理”がポイントです。しかし、残念ながら現状では、この技術について紹介することは出来ません。

ですが、とても喜ばしい報告が一つあります。PE(ポリエチレン)素材へのファーストトライは成功しました!写真を見て頂ければよくわかります。

 

写真左:特殊処理なし
写真右:特殊処理あり
「特殊処理なし」の方は、“ペロン”と音を立てんばかりに塗膜が剥がれ落ちます。それとは対照的に、「特殊処理あり」の方は、碁盤目を入れてテープ剥離をしてもまったく塗膜が剥がれ落ちません。しかもこの商品は、ごく普通のPE(ポリエチレン)容器です。塗装屋の立場からすると信じられません。期待に胸が膨れ上がる想いです。
これからPE(ポリエチレン)素材へ塗装が出来るのか??

 

現在セカンドトライ・サードトライを実施している段階です。これは未知なる素材への挑戦です。しっかり検査を行い、お客様に提供出来る品質を確保しなければいけません。

もし、このテストが満足の行く結果になれば・・想像するだけで楽しみです。
「色の価値によって、商品が生まれ変わる」。そんなモノ作りをオークマ工塗では、これからからも挑戦して行きたいと思います。

お客様で「今まで塗装が出来なかった素材」又は「色を加えての商品展開」を、お考えのお客様は、お気軽に当社までお問い合わせくださいませ。
商品開発依頼:ペット素材。パイプ内塗装

商品開発依頼:顔料メーカー様より色見本帖製作


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