ABS樹脂製パーツに対し、ツヤありとツヤ消しのツートン仕上げを施した高難易度の焼付塗装事例をご紹介します。25年目のベテラン職人が手がけた精度の高い仕上がりと、クリア塗装ならではの質感を、ぜひご覧ください! 目次 塗装の概要 製品情報 塗装プロセスのポイント 職人技が光る、ムラなしの仕上がり 仕上がり写真 ワンポイント解説:クリア塗装とは? まとめ 塗装の概要 本事例は、ABS樹脂製の外装部品に対して、ツヤありとツヤ消しを組み合わせたツートン塗装を行ったものです。 製品情報 素材:ABS樹脂 塗装方法:ウレタン塗装 カラー構成:マットブラック、シルバー、レッドクリアー 仕上げ:艶消し × ツヤありのツートン 施工担当:塗装歴25年のH職人 塗装工程 下処理(脱脂) マスキング マットブラック塗装 シルバー塗装+レッドクリアーを重ねてツヤありの質感を演出 職人技が光る、ムラなしの仕上がり 今回特に難易度が高かったのは、赤のクリアー塗装です。 カラークリア(透明色)は塗りムラが出やすく、形状によって色の濃淡が変わってしまいます。 そもそもスプレー塗装で全く同じ膜厚で塗り続ける、というのはほぼ不可能に近いです。 焼付塗装では、主流な原色だと色にもよりますが膜厚にばらつきがあってもある程度色ムラが目立ちにくくはなります。 ただしカラークリアー膜厚の微妙な違いも顕著に見た目にでるので、色むらが目立ちます。 さらに薄いところは濃いところに塗り足そうとすると、どんどん膜厚が熱くなり色が濃くなります。 それにより、初心者だと塗りすぎて厚塗りになり下のシルバーがきれいに色がでなかったり色がまだらになったりします。 カラークリアは塗装の中でも、特に熟練の技術と経験が必要なのです。 今回は、25年の経験を持つ職人が手吹きで対応し、ムラなく美しい塗膜を実現しました。 これが量産となると、同じ品質を保つためには治具や塗装条件のかなり難易度の高い塗装技術が求められます。 仕上がり写真 ▲ ツヤありレッド×マットブラックの光沢の塗り分けが美しい 仕上がり動画
ワンポイント解説:クリア塗装とは? クリア塗装とは、透明な塗料を上塗りすることで、下地の色や金属感を活かしつつ、ツヤ感や耐久性を向上させる技術です。 中でも赤クリアーは、シルバーの下地と組み合わせることで、キャンディレッドのような深みのある表現が可能です。 まとめ 今回の焼付塗装事例では、ABS樹脂へのツヤあり×艶消しツートン仕上げという高難易度の仕様を、職人の技術により美しく実現しました。 特にクリア塗装における色ムラの回避が塗装工程の奥深さを物語っています。 焼付塗装による意匠性と品質の両立をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
製作者コメント COMMENT
塗装の概要
本事例は、ABS樹脂製の外装部品に対して、ツヤありとツヤ消しを組み合わせたツートン塗装を行ったものです。
製品情報
塗装工程
職人技が光る、ムラなしの仕上がり
今回特に難易度が高かったのは、赤のクリアー塗装です。
カラークリア(透明色)は塗りムラが出やすく、形状によって色の濃淡が変わってしまいます。
そもそもスプレー塗装で全く同じ膜厚で塗り続ける、というのはほぼ不可能に近いです。
焼付塗装では、主流な原色だと色にもよりますが膜厚にばらつきがあってもある程度色ムラが目立ちにくくはなります。
ただしカラークリアー膜厚の微妙な違いも顕著に見た目にでるので、色むらが目立ちます。
さらに薄いところは濃いところに塗り足そうとすると、どんどん膜厚が熱くなり色が濃くなります。
それにより、初心者だと塗りすぎて厚塗りになり下のシルバーがきれいに色がでなかったり色がまだらになったりします。
カラークリアは塗装の中でも、特に熟練の技術と経験が必要なのです。
今回は、25年の経験を持つ職人が手吹きで対応し、ムラなく美しい塗膜を実現しました。
これが量産となると、同じ品質を保つためには治具や塗装条件のかなり難易度の高い塗装技術が求められます。
仕上がり写真
仕上がり動画
ワンポイント解説:クリア塗装とは?
クリア塗装とは、透明な塗料を上塗りすることで、下地の色や金属感を活かしつつ、ツヤ感や耐久性を向上させる技術です。
中でも赤クリアーは、シルバーの下地と組み合わせることで、キャンディレッドのような深みのある表現が可能です。
まとめ
今回の焼付塗装事例では、ABS樹脂へのツヤあり×艶消しツートン仕上げという高難易度の仕様を、職人の技術により美しく実現しました。
特にクリア塗装における色ムラの回避が塗装工程の奥深さを物語っています。
焼付塗装による意匠性と品質の両立をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
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